2007年9月に集英社文庫より刊行された関口尚著の作品です。
■あらすじ
君に届けたい光がある――
鉱石を売るバイトをする大学生の桜井は、客の雪衣に恋をする。しかし、彼女は自分のことを全く話そうとしなかった。そしてお祭りの夜、桜井は雪衣の衝撃的な過去を知り――。
岩手県を舞台にした、鉱石と青春恋愛ストーリーです。
水晶や○○ストーンなど、加工されたものがアクセサリーとして販売しているお店は街中でもよく見かけます。
自分自身もそういったブレスレットを購入したこともありますが、そういったアクセサリーショップでも、稀にショーケースの中に大きな原石・鉱石が飾られていたりしていますよね。
お値段もそこそこにするこの鉱石、一体誰が買っていくのだろうと考えたことがあります。
この作品では、鉱石を売るショップでアルバイトをする桜井という青年が主人公。
そんな場所で働けることもさぞ珍しい体験になるだろうなと思って読んでおりました。
その鉱石を販売しているお店に、一人の可愛らしい女性のお客様が来ます。
しばらくワケあって傷心していた桜井は、その女性に少しずつ惹かれていきます。
その女性は、いつも言葉少なげ。桜井のことをちらちらと気にしながらもあまり自分のことを話してくれません。
彼女には一体どんな事情があるのでしょう。
岩手県と言えば、管理人は宮沢賢治というイメージです。
勿論ほかにも、名産物や素敵な場所はたくさんあるのでしょうが、宮沢賢治さん以外のことを知らなかったので鉱石が取れる場所があるのだということも、この作品に触れて知りました。
日本でも、希少な鉱石が取れる場所がいくつかあるのだとか。
鉱石は海外のイメージも強かったので、実際にこの目で鉱石がある神秘的な洞窟を見てみたいものだと感じました。
また、この作品は生死についても触れる場面があります。
生きている側の人間がいくら考えても、亡くなった方が生前どんな想いであったかなんてわかりません。
生きている同士でもわからないのですから。
それでも、色々と考えてしまうのが私たちです。
あぁすればよかったと思った頃には遅いこともあるので、生きているうちに仲良くしたいと思う人とは悔いなくあれやこれやを話しておくのが良いのかもしれませんね。
そんな、鉱石と人にまつわるお話。
もしよろしければ、読んでみてはいかがでしょうか。