2019年11月に河出書房新社より刊行され第1回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞された作品です。
いじめがきっかけで学校へ行けなくなった小学6年生の火村ほのか。
シフト勤務の父は昼間家にいることもあるため、朝は登校するフリをして家を出るが居場所がない。
そして、たどり着いたのは近所の図書館だった。
そこには、学校で噂のみどり色のへび男の司書がいたり、謎の少年がいたりする。
そしてたくさんの本にも出会い、ほのかの世界は出会った人と本によって少しずつ少しずつ動き出す。
全国学校図書館協議会選定図書にもなっている、とても読みやすい児童図書でした。
ファンタジー感あふれる表紙にもとても惹かれます。
いじめがきっかけというところは、いかにも小学校高学年から中学生向きの内容ではありますが、まず主人公のほのかの性格がとても芯の強さを感じます。
いじめられ、知らず知らずのうちにストレスによって足が向かなくなってしまったものの、途中まではいじめられてもそのまま学校へ通っているところもとても強い。
また、タイトルから感じるファンタジー要素とは全然違った青春ストーリーという雰囲気なのもよかったです。
もっと、摩訶不思議なものがたくさん出てくるかと思っていましたが、そういったものは一切出てきません。
とても身近なお話のようにも感じますし、少々現実離れしているようでもある。
これはぜひ、大人にも読んでいただき子供目線での様々なものを改めて思い出してほしいと感じました。
ご興味がある方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。