太田出版より2005年1月5日に刊行、文庫版は2008年に角川書店(角川文庫)より刊行された作品です。
2010年に 『ノイタミナ』にて テレビアニメ化もされました。
舞台は京都。主人公は、冴えない大学3回生の青年。
バラ色のキャンパスライフを夢見て、意気揚々とサークルへ参加してみるものの、現実はそれとは程遠い生活であった。
悪友の小津には振り回され、謎の多い樋口師匠にも無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとの恋路に気づく頃には散々な有様であり、いっそのこと1回生に戻り大学生活をやり直したいと考える。
あのサークルであれば、このサークルであったならと彷徨う4つの並行世界。
ちょっと不思議で面白おかしい、青春ストーリー。
森見作品は、京都が舞台であることが多いです。
管理人が最初に森見作品に出会ったのは『夜は短し歩けよ乙女』でした。
( 『夜は短し歩けよ乙女』 については後日改めて書かせていただきます)
まず、この作品を含めて森見作品にいえることは、読んだ後に京都へ行き聖地巡礼をしたくなるということです。
京都の下町の風情が感じられる状況が多いのです。
また、この作品も含め、少年~青年期の主人公が多く、視点が面白いです。
こちらの四畳半神話大系については、管理人が森見作品にであって間もない頃に深夜たまたまアニメを観たのが初めでした。
入口はアニメだったのです。
小説を原作としているアニメだからなのか、アニメらしからぬナレーションの多さ。
しかしそれが世界観にぴったりであり、キャラクターデザインが中村佑介さんというところも含めかなり夢中になって観ていました。
こちらの作品に出てくる『もちぐま』も一部でキャラクター化されていましたね。
この作品の主人公や周りの情景は、程よい昭和感があると感じています。
四畳半の下宿先がそうさせるのか、平成の時代にはすっかり当たり前になっているハイカラなものの名前がほぼ出てこないというところがそうさせるのかはわかりませんが、経験したことがなくても昭和後半頃の学生時代というのはこのような生活なのではないかとイメージがされるのです。
(なんとなく頭の中で神田川が流れます)
そして主人公がまじめでひねくれもので、自ら輪の中に入っていくことは苦手な様子の性格なのに、どうにか大学デビューをしようと紛争する姿がなんとも応援せずにはいられない物語。
賢いのかおバカさんなのか…憎めないそんな主人公と共に、少し懐かしい学生時代を感じてみませんか。
ご興味のある方は、ぜひ読んでみてくださいね。